14.3. サービス設定ツール

サービス設定ツールはRed Hatで開発されたグラフィカルアプリケーションで、ブート時に(ランレベル3、4、5で)/etc/rc.d/init.d内で起動するSysVサービスを設定したり、有効にするxinetdサービスを設定します。 さらに、SysVサービスの起動、停止、再起動や、xinetdの再起動も可能です。

デスクトップからサービス設定ツールをスタートするには、パネル上のメインメニューボタン =>システム設定 =>サーバ設定 =>サービスと進むか、あるいは シェルプロンプト(例えば、 XTermGNOME ターミナル)で redhat-config-servicesコマンドを実行します。

図 14-1. サービス設定ツール

サービス設定ツール は現在のランレベルや、現在編集中のランレベルを表示します。別のランレベルを編集するには、 プルダウンメニューからEdit Runlevelを選択して、ランレベル3、4、5のうちどれかを選択します。ランレベルの説明については、項14.1を参照してください。

サービス設定ツール/etc/rc.d/init.dディレクトリからのサービスと、xinetdで制御されるサービスを一覧表示します。アプリケーションの左側にある一覧のサービスの名前をクリックすると、そのサービスの説明とその状態が表示されます。サービスがxinetdサービスでない場合、ステータスのウィンドウでそのサービスが現在実行中かどうか表示されます。サービスがxinetdで制御されている場合は、状態のウィンドウはxinetd serviceというフレーズを表示します。

サービスをすぐに起動、停止、再起動するには、一覧からサービスを選択してから、ツールバー(又は、操作プルダウンメニューから目的の動作を選択)から、目的のボタンを選択します)。サービスがxinetdサービスの場合、アクションボタンは、個別に開始と停止ができない為、無効になっています。

サービス名の横にあるチェックボックスにチェックを入れたり、外したりすることで xinetdサービスを有効/無効にする場合、プルダウンメニューから ファイル => 変更を保存の順で 選択して、xinetdを再起動します。そうするとすぐに変更した xinetdサービスが有効/無効になります。xinetdは このセッティングを記憶するように設定されています。一度に複数のxinetd サービスを有効/無効にすることが可能で、終了した時点で変更を保存できます。

例えば、ユーザーが rsyncをランレベル3で有効にするためにチェックを 入れて、変更を保存したと想定します。rsyncサービスはすぐに有効に なります。次回にxinetdがスタートした時もrsyncは まだ有効のままです。

警告警告
 

xinetdサービスへの変更を保存すると、xinetdは 再起動して、変更がすぐに反映されます。他のサービスへの変更を保存するとランレベルが 再設定されますが、変更はすぐには反映されません。

現在選択しているランレベルでブート時にxinetd以外のサービスを スタート出来るようにするには、一覧内のサービスの名前の横のチェックボックスにチェックを 入れます。ランレベルを設定した後、プルダウンメニューからファイル => 変更を保存を選択して、変更を適用します。ランレベルの設定は 変わりますが、ランレベルは再起動されません。そのため、変更はすぐには反映されません。

例えば、ランレベル3の設定をしていると想定しましょう。anacronサービスの 値を「チェック付き」から「チェックなし」に変更して、それから変更を保存を 選択すると、ランレベル3の設定はブート時にanacronをスタートしないように変更され ます。しかし、ランレベル3は再初期化されていないのでまだ作動中のままです。ここで以下のオプションの 1つを選択します:

  1. anacronサービスの停止 — 一覧からそのサービスを 選択して停止ボタンをクリックすることで停止します。 サービスが停止されたことを伝えるメッセージが表示されます。

  2. ランレベルの再初期化 — シェルプロンプト(XTermGNOME terminal)に進んで、コマンドtelinit 3(3はランレベルの数字)を入力して、ランレベルを再初期化します。このオプションは、2つ以上のサービスの起動時に開始の値を変更して、その変更内容をただちに反映させたい場合に推奨されます。

  3. 何もしない—anacronサービスを停止する必要はありません。サービスの停止には、システムが再起動するまで待ちます。次回システムが起動するとき、ランレベルはanacronサービスが実行されずに初期化されます。