第 16章NFS(ネットワークファイルシステム)

NFS(ネットワークファイルシステム)は、ローカルのハードディスクドライブ上にあるかのように、ネットワーク上のマシン間でファイルを共有できるようにするための手段です。Red Hat Linuxは、NFSサーバーにもNFSクライアントにもなることができます。つまり、Red Hat Linuxはほかのシステムに対してファイルシステムをエクスポートすることも、ほかのマシンからエクスポートされたファイルシステムをマウントすることもできます。

16.1. NFSを使用する理由

NFSは、同じネットワーク上の複数のユーザー間でファイルのディレクトリを共有できる便利な手段です。たとえば、同じプロジェクトで仕事をしているユーザーのグループは、ディレクトリ/myprojectにマウントされているNFSファイルシステムの共有ディレクトリ(一般に「NFS共有」と呼びます)を使用して、そのプロジェクトのファイルへのアクセス権を取得することができます。共有ファイルにアクセスするには、ユーザーは自分のマシンの/myprojectディレクトリに移動します。パスワードを入力したり、特別なコマンドを覚えたりする必要はありません。ユーザーは、そのディレクトリがあたかも自分のローカルマシン上にあるかのように作業することができます。