第 18章DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)

DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)は、クライアントマシンに自動的にTCP/IP情報を割り当てるネットワークプロトコルです。各DHCPクライアントは、中央に配置されたDHCPサーバーに接続し、サーバーはIPアドレス、ゲートウェイ、DNSサーバーなどのクライアントのネットワーク設定情報を返します。

18.1. DHCPを使用する理由

DHCPを使用することにより、クライアントのネットワーク設定の受け渡しを簡単に行うことができます。クライアントシステムを設定するときDHCPを選択すれば、IPアドレス、ネットマスク、ゲートウェイ、DNSサーバーを入力する必要はありません。クライアントはこれらの情報をDHCPサーバーから受け取ります。また、管理者が多数のシステムのIPアドレスを変更する場合もDHCPは便利な機能です。すべてのシステムの再設定を行う代わりに、サーバー上のDHCP設定ファイルを編集することによって、新規のIPアドレスセットを設定できます。組織のDNSサーバーが変更された場合は、DHCPクライアントで変更を行うのではなく、DHCPサーバーで変更を行います。クライアントでネットワークが再起動(またはクライアントがリブート)されると、変更が反映されます。

また、ノートPCなどのモバイル用途のコンピュータがDHCPを使用するよう設定されている場合、各オフィスのDHCPサーバーがこのようなコンピュータをネットワークに接続できるよう設定されていれば、オフィス間を移動するたびにノートPCを再設定するという必要はありません。